気仙で暮らし、働く

当事者として復興・まちづくりに携わりたいと移住した気仙での日々のこと、暮らしのことをつづります。

コートジボワールから気仙へ

「ばっ!アフリカってすんごい動物がいるんだっぺ?」 (※「ばっ」とは気仙語で「わぁ、びっくりした」という意味。あまちゃんの世界でいえば「じぇ」で、驚きが多いほど数が増える) 移住して2ヶ月。よく聞かれる質問で、確かにそうなのだけれど、私は気仙…

大統領の叙勲式挨拶(ウラの世界)

日本社会の曖昧な愛想笑いや、イギリス社会のブラックユーモアや、フランス社会のとりあいずしゃべるところなど、それぞれの文化でそれぞれの「社会の潤滑油」のような事があるなかで、コートジボワール人社会では、生活にしろ、仕事にしろ、遊びにしろ、そ…

叙勲式の大統領挨拶(オモテの世界)

親愛なるエレファンツ、ご参集の皆様、 23年、実に4半世紀待ち続けました。このアフリカカップを前に、今、夢が現実となりました。ブラボー、エレファンツ。なんという幸せでしょう、なんという気持ちでしょう。 我々のヒーロー、エレファンツ、ありがとう。…

トロフィーか、油田か

いよいよ明日に迫ったアフリカネイションズカップの決勝。代表のユニフォームが飛ぶように売れ、どこからとも無くサッカー場で吹かれる「ぷぁ〜」というラッパの音が聞こえている。物売りもどこから調達したのか、ナショナルチームカラーのオレンジの帽子や…

大統領の耳にささやく男

西アフリカ関係者必読のJeune Afrique紙がこう名付けた男がいる。 コートジボワールの政治家って、私が今まで会った中で最も難しい職業じゃないかと思うことがある。突然50年前に線を引かれた四角い地域のなかにいた60以上の民族が、はい、君たちが今日から…

人工物に政治はある

今朝のラジオで「開通したばかりのベディエ橋からお届けします」との特集があった。クリスマス休暇で家族が集まったり、みんな時間があるので、橋が人々の新たな観光地のようになっているという。1月2日まで「大統領からのカドー(プレゼント)」で通行料が…

3回目の君が代、時々来るハレの日

暑い12月、汗を流し、寄ってくる蚊を気にしながら、このどんよりとしたアビジャンの空のもとで君が代(アレンジ、明るめ)を聞くのは今年3回目ー1度目は、1月の安倍首相訪問時、2回目は6月のワールドカップ日本戦、3回目が、天皇誕生日記念式典だ。しかも、1…

47年ぶりの橋と、平和

「今、この美しいインフラを前に、私は団結、信頼、そして平和を確信しています」ーブラウン管の分厚い画面に映る大統領、全閣僚、外交団、ドナー、そして万を越える人々。なんだか、私までぐっと来るものがあるー。 1週間くらい前から、インフラ省も建設省…

バリケードの理由

だれもが、まさか、と思って背筋が冷えた昨日ー。お昼過ぎ、プロジェクトスタッフから電話がかかってくる。「軍隊がプラトー(ビジネス地区)で、バリケードをはってる。軍服の人たちが道に繰り出していて煙も見えるし、オフィスは閉鎖して、今日はみんな帰…

許しを請う

コートジボワールの今の社会を理解するにあたって「許しを請う(demander pardon)」は一つのキーワードだろう。すなわち、2011年4月11日の終戦までの罪を認め、許しを請い、そして許し、平和になりましょう、という今の国家政策の一丁目一番地である。 これは…

ゆるキャラはコートジボワールで流行るか

16位ー何となくほっとしつつも冴えない感じ。わが故郷の「えび〜にゃ」はいつもこのあたりをウロウロしている。そう、ゆるきゃらグランプリの話である。これは日本独特の子ども文化だとか世界には通用しないとか、いろいろ説明はあるらしいけれど、同感であ…

コンパオレハティカッドニカイキンショウ

この一文でふっと笑いがでるのであれば、あなたの西アフリカ度はかなり高いといえる。これを「翻訳」すると、ブルキナファソのコンパオレ大統領は、5年おきに日本で開催されている、いわゆる日アフリカサミット(TICAD)に全て参加しているということである…

目標はできないからたてる。

フランスのモットー「自由、平等、友愛」は有名だが、これにちなんでもとフランス植民地は、このモットーというか、目標を定めていることが殆どだ。 フランスについての言及はあえてさけるけれど、民族間の仲直りを政治課題とするコートジボワールは「団結、…

ウキウキした社会

1月の休暇を終えて帰ってくると、季節は変わっていないが、確実に社会が変わっている。なんだかうきうきしているような、そんな感じなのである。 IMFが先頃、今年のコートジボワールの経済成長率は8−10%になるという予測を出した。2012年の10%、2013年の8%…

コートジボワールはなぜ自然国境なのか

「ヨーロッパの地図とアフリカの地図を比べて違うのはなんでしょう。」 200万年前にアウストラロピテクス、40万年前にホモサピエンス、20万年前にミトコンドリア・イブそして暗黒大陸、大航海時代、奴隷、植民地。 世界史でアフリカの文字を見れる数少ない授…

マスコミと口コミ

NHKトップニュース以降、マスコミの世界でこちらはとんでもない事態になり続けているらしい。 ・エボラ隔離地域で食糧難=往来制限、「餓死の瀬戸際」―西アフリカ(時事通信) ・エボラ熱拡大は「戦争」=感染封じ込めに6カ月超(時事通信、テレビ朝日) ・…

エボラ対策とコートジボワール

ヤフーニュースのトップとか言っているうちに、なんとNHKのトップにも出たらしい。この騒ぎの中だって、コートジボワールの真面目さ、底力は健在で、騒ぎを横目に私はますます惚れてしまうのである。 そもそもエボラの話は3月くらいからずっとあって、その間…

ドロクバの代表引退

珍しいことにヤフーニュースのトップに2日連続で西アフリカがのった。昨日は西アフリカのエボラ出血熱で、今日はドロクバのナショナルチーム引退だ。今日は朝から国営放送トップニュースはもちろんのこと、新聞も1面、スポーツ面、政治面、経済面とドロクバ…

5連休のようなもの

海の日3連休を横目に見つつ、こちらは明日から、「5連休のようなもの」に突入だ。 ラマダンが終わる7月末頃にはイスラム教徒の祝日が2日ある。1日は「運命の夜」のお祭り、もう一つがラマダンあけのお祭りだ。運命の夜はムハンマドが初めてコーランを披露し…

湿気・マラリア戦線、一時休戦中

アビジャン生活は基本的に湿気とマラリアとの戦いだ。西アフリカイチの降雨量を誇り、ラグーンが入り組んだこのまちでは湿気対策=生きていくことと言っても過言ではない。食品は2時間で腐りはじめ、家の契約書には「23時間クーラーをつけていること」と書か…

アビジャンは1日にして、何とかなる。

コートジボワール人に絶対かなわないなと思う能力がある。土壇場の突貫力で、何かにつけスタートダッシュは今イチ、でも最後に追いつめられてくるとものすごい力を発揮する。ワールドカップのコートジボワール戦が象徴するとおり、始めは必ず先制されてそこ…

アビジャン女子会

一番始めに参加したのは南スーダンのジュバ女子会。どこに行ってもそこに生きる日本女子の女子会がたくましく、存在している。 昨日に引き続きストレス解消のためのアフターファイブ事情を続ければ、アビジャン女子会なる笑いと毒に満ちた世界があるーそこに…

コートジボワール、アフターファイブ

金曜日、コートジボワール人パートナー3人との打合せが終わったのが18時ーそこにこの魅力的な誘い「どう?」、もちろん「いくいく」。 レストランや居酒屋が道ばたにテーブル、椅子、それに大音量の音楽が流れるスピーカーに、お通し、小鉢、何皿もの食べ物…

大好きな国での幸せな時間

SONYとの2014年パブリックビューイングが終わった。始めの「お断り」から7ヶ月。数字にすると、長い期間だけれど、本当に、本当に一瞬で終わってしまいました。 いつも神経は張りつめていたと思う。これまでの仕事では「チャンスを与えていただいたこと」に…

現場を信じてくれた全ての人たちへ

今日、東京から到着された6人の方ー。 複雑な民族、政治、経済背景を有するコートジボワールでは唯一の人々をつなぐサッカーが絶対に現場の人々の役に立つ。それは現場にいれば、空気を吸うように身に染みて分かる。それを私は自分自身に説明して、理解する…

6-3.5=2.5

普段の仕事は、計画して困難を想定して、なるべくリスクを排除して、計画通りに進むようにモニタリングして…なんてやっているけれど、私生活は、その場その場で精一杯考えて話し合って結論を出すという、仕事上とは全く相反する生き方をしているのは間違いな…

コートジボワール、故郷となる。

1年と5ヶ月前、コートジボワールに着いた瞬間から感じていたーおかしいー、と。 私のフランス語の教科書1ページ目には確かに、18時までの挨拶は「ボンジュール」です。と、書いてあったはずなのに正午を1分すぎると「ボン・ソワール(今晩は)」と、そして…

世界は思ったよりぶっちゃけている

国際協力の世界にどっぷり浸かりながらも、私の視点は高校生くらいからナナメで、「本当は日本のためだった国際協力」とか、なんだか奇麗なことを言っていてもきっと各国の利権争いなんだ、と随分長い間思っていた(そして、結局これが修士論文のテーマにま…

暗殺スポット

初めての街に行ったときは一望できる場所に行きたい。これはマスコミも同じらしく、取材の際に、通訳の情報、オススメレストランの場所に続いて必ず聞かれる質問である。アビジャンで高い建物は限られているし、わりと起伏のある地形なのでスポットは限られ…

情けはコートジボワールのためなのだ

コートジボワールというか、西アフリカ周りで共通している文化に「ソリダリテ」=連帯という文化がある。良く言えば相互連携、絆、悪く言えばたかりの文化である。部族であったり、出身地であったり、大家族に共通点があると、お互いに助け合って生活してい…