気仙で暮らし、働く

当事者として復興・まちづくりに携わりたいと移住した気仙での日々のこと、暮らしのことをつづります。

コンパオレハティカッドニカイキンショウ

この一文でふっと笑いがでるのであれば、あなたの西アフリカ度はかなり高いといえる。これを「翻訳」すると、ブルキナファソのコンパオレ大統領は、5年おきに日本で開催されている、いわゆる日アフリカサミット(TICAD)に全て参加しているということである。そのTICADは第1回が、1993年、2013年は記念すべき第5回だったから、この20年間はゆうに大統領を務めているということである。

コンパオレ大統領の任期は2015年。一方、憲法上は2期10年が最大なので、2015年大統領選挙に自分がまた立候補できるようにこれを変えようとしていた。ここのところラジオでは、「ブルキナファソの専門家」たちが、テレビ、ラジオで、いかなる大統領も超長期を努めるべきではないと言えば、大きな紛争無く国を運営して来た手腕や、地域の平和におけるメディエーターとしての役割を高く評価したりしていて、特別番組の後にもなかなか答えが出ないようだった。

それが昨日、15時半、会議を終えて車に乗ると、ドライバーが興奮している。「ブルキナでクーデーターなんだ!大統領が追い出された!」これはびっくりである。こんなに早いとは思わなかった。あわててラジオをつけると、国会も、大統領府も火がつけられている、と興奮した特派員の声が聞こえる。

私「すごいね。こんな早いとは思わなかったわ。」

運「マダム、こんなのは当然だよ。27年も大統領をやったらもう身を引かないとダメなんだ。」

「でもさ、大きな紛争もなく収めてるし。」

「マダム。ブルキナはその27年間、ずっと世界で貧しい国の一つなんだよ。争いが無いっていうのは何の評価でもないよ。」

私「でも、コートジボワールでもマリでも紛争の調停人をやってくれたりしてるじゃん。そういう人は必要じゃない?」

運「そういう役割は大統領じゃなくても、国連にいったりしてやればいいんだ。大統領の役割は国を収めることでしょ。日本の首相が中国との関係を良好にしているからってずっと首相にはなれないでしょ。」

おおお。確かにそうだ。

私「でもかわりの人がいるのかな」

運「マダム、人口が1600万人もいれば、十分出来る人はいるよ。そういう人をつぶしさえしなければね。こういう政治家がアフリカをダメにするんだ。これでブルキナファソはまた10年停滞する。僕は運転手で幸せだよ。毎日100mずつきちんと運転して、それが1000kmになって、家に帰って家族とご飯食べてさ。発展ってそういうことでしょ。」

私「なるほどね。」

運「こんなの議論することじゃないよ。日本の首相が27年間同じっていったら普通ありえないでしょ。そういう普通の感覚だよ。」

ちなみに、運転手は中学を出ただけである。こういう人々との会話をすると、やっぱり現場っていいな、としみじみ思うのである。