気仙で暮らし、働く

当事者として復興・まちづくりに携わりたいと移住した気仙での日々のこと、暮らしのことをつづります。

言い訳は文化だ

ちょっと前、オフィスのコートジボワール人スタッフで奥さんが日本人の人に聞いてみた。なんでコートジボワール人は、どうでもいいことに全部言い訳するの。言い訳を考えるのも疲れると思うんだけど??時にはさっさと間違いを認めた方が楽じゃない?

「確かに、うちの奥さんとももめるけどね。でもね、言い訳は文化なんだ。言い訳せずにはいられないんだ」

むむむ。文化を否定するわけには行かないが、文化とな。

話は変わって、2013年調査によると人口600万人と言われるアビジャンの失業率は19.5%。そのうち、学卒だと27.8%、修士保有者に限ると42.9%にのぼるほど、高学歴の失業が問題となっている。もともとアビジャンは西アフリカ随一の労働市場を提供し、マリやブルキナから労働力をかき集めて成長しただけに、90年代に経済が停滞して労働市場が収縮したときに、労働力だけが残ってしまい、社会不安、紛争の原因の一つとなった。単純に考えても、教育されて、力もある若者がその力のだし先がないとしたら、兵士や政治活動に動員されてゆく図は想像に固くない。

そんななか、空席となっていたオフィスのコートジボワール人スタッフの募集を行った。インターネットで3日間募集を出したら世界から81人の応募があるほど、この国のオフィスワーカー供給超過多の実態を表していた。

書類選考、論文、面接とすすめるなかで、譲れないことは一つ。(もう、文化なので言い訳をしても良いが)、間違いを認めることが出来る人−これだ。そこで、論文で出した課題がこれだ。

「あなたが人生で一番失敗したと思われることをあげて、その理由を考えてください。そしてどのようにそれを乗り切ったか教えてください。」

まるで日本の就職活動の様だが、日本のように就活なれしていないコートジボワール人だけあって、本心が出るし、すこし頭をひねったひとでも自己アピールを間違った方向にしている。。。—その答え、小論文に進んだ約30名のうち3名をのぞいてテストの点数をテーマにしていた。「自分はこれだけ優秀なのに落ちてショックだった」「人生において間違いはなかった」、と。ちがーう!ここは自己アピールの場ではなく、言い訳しない能力を問うているのだ!

そんななかにもきらりと光る人が。「自分の態度が悪かった」「仲間と共同しなかった。」「リーダーシップをとらなかった」この3人にコートジボワールの未来を見た気がしました。