検問と治安
仕事では治安情勢を見極めるために、外務省の基準、国連の基準、軍や警察の情報などなど、いろいろな角度から総合的・客観的にみていく。それもとっても大事だけれど、私が生活者として気にしているのが軍や警察が町中で高いプレゼンスで検問やコントロールを行っていないこと、女性・子どもが外を歩いていること、この2つだ。
2012年4月、出張で初めてアビジャンに来た時、政府が威信をかけた治安対策として、怪しい人を通さないように網の目を引いていた。特に暗くなった後は、外に出るのがおっくうになるほど検問に引っかかった。それに日が落ちたあとは、女性・子どもだけでなく、通りからは人っ子一人いなくなっていた。それから1年半がたって、いまでは、暗くなってもそれなりにスムーズに帰れるし、女性・子どもの物売りも、日常風景になった。
と思っていたら、先週あたりから検問がとにかく増加した。通りという通りに警官・憲兵隊まで出動し、道端でどんどん人が捕まっている。何事かと動きを見ていると、ははーん、と納得。遅ればせながら、10月22日、法律により運転中の携帯電話が禁止されて、その一斉取り締まりを行っているのだ。
運転中の携帯電話操作は禁止、さらに厳しいことにハンディフォンセットもダメ。やった場合は罰金1万FCFA(2000円)位だ。道ばたで捕まっている人のやりとりを見ているとこれが面白い。
「電話がかかって来ただけなんだ」(=つまり、私がかけていたのではない)
「イヤーフォンで音楽を聞いていたんだ」(=電話はしていない)
「ハンディフォンは安全なんだ。法律が悪い」(=開き直り)
こんな言い訳シリーズを道ばたでのんきに楽しめるのも、治安が良くなった証拠だわ。