気仙で暮らし、働く

当事者として復興・まちづくりに携わりたいと移住した気仙での日々のこと、暮らしのことをつづります。

竹槍とB29

アフガニスタンのナンガルハールの塹壕で迎えを待った時、南スーダンのアッパーナイルでAK47を持つ兵士と交渉した時、スリランカ東部で地雷にどう対応するかを考えた時、まさにB29と竹槍の世界だと思った。 開発を届けたいという思いだけでは開発を届けることは出来ない。開発が必ずしも良いととらえられるとは限らない。けれど見えない相手には圧倒的な力が有る。

 ということで、この1週間、8ヶ月ぶりにアフリカを脱出しタイで、国連が実施する安全研修を受けさせてもらいました。タイ王国軍が施設・スタッフを最大に協力してくれて、講師は人道支援を長く続けてきた文民スタッフやもとイギリス軍/ヨルダン軍のスタッフ。参加者はアフガン、パキスタン、イラク、、、とおおよそ「危険」と言われているところから国連、NGO、政府関係者が集まり1週間缶詰の研修。

 でも、なにも私たちは銃で戦うための力を得るのではなくて(そもそも30もすぎてここから始めるのはつらい。)、「武力を使って守る方が簡単.どうやったら武力なくして身を守れるか」を身につけること。大切なのは行きのびることだ。

 これを座学ではなくてまさに実践で学ぶ。手をしばられ、目隠しをされ、500万ドルと政治犯の解放を求める犯人との交渉。車から引き摺り下ろされ銃を突きつけられたときの姿勢の取り方。軍演習基地でのGPSを使った現在地の特定。交通事故の時の生存確認、応急処置。食糧を求め暴動する民衆との対応(これはタイ軍そのものだけでなく、その家族100人が協力!)。

 

私が危険な目に会うことは、私が危ないだけでなく活動国でのオペレーション全体を止めることを意味する、本当に勝手な行為なのだ。猫の手もかりたい事務所の忙しさで1週間出してくれた上司・同僚に大感謝。安全に、開発が必要な人に届け続けられますように。