気仙で暮らし、働く

当事者として復興・まちづくりに携わりたいと移住した気仙での日々のこと、暮らしのことをつづります。

マンゴーの経済学

今の季節、アビジャンでは3歩歩けばマンゴーの押し売りに見舞われる。小さいときからみれば夢の世界だ。マンゴーと言えば宮崎のおばあちゃんが毎年送ってくれていた「太陽の卵」というブランドの一個数千円するもので、毎年、大事に緩衝剤に包まれて、丈夫なプラスチックの箱に入れられてクール宅急便で送られてきて、切り分けて家族で食べていた。独り占めなど許されなかった。

 

しかしここのマンゴーは大きくて、味も太陽の卵に劣らず良くて、しかも安い。3歩歩けば見つかるマンゴー売りーそしてそこにはアビジャンの小売り事情がよくうつし出されている。

 

1番高いのはフランス系やレバノン系のスーパー。無駄にきらびやかな店内にフランスから輸入されたリンゴなどときれいに並んでいる。1個で1000FCFA(=200円)近くするものもある。

 

次が道ばたに店(といっても木の台にトタンの屋根が付いただけのものですが)を構えて売るタイプやローカルマーケット。これは市役所への届け出制度になっていて認可証が掲げられている。他の地の旬の野菜や果物とあわせて売っていてなかなか便利だ。値段は1個で200〜300FCFA位まで落ちてくる。

次が町の行商、道ばたに単に腰を下ろして売るタイプ。だいたい女の人が集団で子供をつれながら、頭にバケツにいれた20個以上のマンゴーをのせて移動しながら売っている。疲れたら車が止まりやすい交差点などに座り込み商売だ。店舗届け出のコストがかからないだけ安く買える。3個で500FCFA位だ.

 

そして、最安値、私のお気に入りは橋のたもと、港横の卸売りだ。マンゴーの産地はコートジボワール中部から北部にかけてなので、各産地からの高速道路で運ばれて来たマンゴーがアビジャン内やフランスなどに出される前の結節点のおこぼれに預かれる。ここは大きな立派なマンゴーが5〜6個で500FCFAくらい。日よけのパラソルだけで届け出もしていないし、仲買コストも流通コストもかからないので一番安い。

 

何気なく売られているマンゴーに、経済学の基本が良くみえる。そんなことを確かめていたら我が家の冷蔵庫には、10個以上のマンゴーが鎮座するハメに。。。

 

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