気仙で暮らし、働く

当事者として復興・まちづくりに携わりたいと移住した気仙での日々のこと、暮らしのことをつづります。

象の復興支援

胡椒、穀物、象牙、黄金、奴隷

 
あこぎなヨーロッパ人にとって、ギニア湾岸の各地は資源の積み出し地にすぎなかった。現在のリベリア(胡椒・穀物)、コートジボワール(象牙)、ガーナ(黄金)、トーゴ・ベナン(奴隷)はこう呼ばれていた。ヨーロッパからの危険な航海、厳しい現地生活・社会環境ーコストをかえり見てもあまりあるリターンがあったことは想像に難くない。
 
しかし、時代は変わってアビジャンで見る象といえば、政府から送られてくる文書の紋章か、サッカーのユニフォームがせいぜいだ。そもそも象牙製品も、そのフェイク製品すら見たことがない。まだ治安が安定しない西部の国立公園に象がいると言われているが、密猟すら話題にならないし、今となって「象」といえば、8割方のコートジボワール人はサッカーのナショナルチームのことだと考えている。
 
しかし、広い広いアビジャンに象が1匹いたのだ。それも生きた象が。先週末に始めて足を運んだアビジャン動物園。西アフリカの真珠と呼ばれた時代に作られたはいいものの、内戦時代に代表格のライオンはもちろんのことライオンや周りの動物が次々に命をおとし、檻も朽ち果てた。そのなかで生き残った22歳の象なのだ。1992年、サッカーアフリカカップ(略称、CAN)でコートジボワールチームが勝った年に生まれたことから「CAN」と命名されている。
 
しかし、皮膚はしわしわ。自慢の象牙もすっかり乾燥している...と思っていた矢先、スイスが動物園のリハビリ、飼育員の研修を支援するとのニュースが新聞にのっていた。
 
文字通りの象の復興支援。元気になるといいなぁ。

f:id:lamer0310:20130519103937j:plain