気仙で暮らし、働く

当事者として復興・まちづくりに携わりたいと移住した気仙での日々のこと、暮らしのことをつづります。

中国との連携

アフリカの最大の商売相手といえば中国だ。ちょっと古く2009年の数字で、アフリカへの中国からの直接投資は14億ドルに上ると言われている。これは日本の7倍の数字と言われている。この他に自分たちの資金でなくても工事受注をしたりしているから、現場での実感は日本の7倍どころではない。中国の品質は今イチと言われるし、プロジェクトを実施すると業者、コック、家族、全てを引き連れてくるためアフリカの経済自体には裨益があまりないともどこからともなく言われている。

ただ、現場で見ていれば、どーんと大統領にプロジェクトの実施を約束し、さっさっさと作ってくれるし、確かに日本の工事や製品より早く壊れるかもしれないが、当面は使えるのでそれはそれで悪くない。何よりカウンターパートと話していても、中国人の投資は現場の役にたっている。これが、一番重要なことだと思う.そのおこぼれでアフリカにいながら心の癒しとして中華料理という恩恵に、日本人もちゃっかり預かれる。

翻って私は計画を立てるプロジェクトを担当することが多い.計画をたてるとだいたい10cm厚さの報告書が出来、これはカウンターパートに結構評判は良いし、中・長期的なバランスをとれた開発に計画は必要だ。丁寧なデータ、丁寧な分析、カウンターパートの意見を十分とりいれた日本のやり方は世界では殆どなくウリ製品の一つと私は考えている。

しかし、やはり計画は実施されてこそ意味があるということで、プロジェクトは開始前からとにかくカウンターパートや、同業他国、同業銀行に宣伝し続ける。「これは使われなければ意味がありません。」として、合意文書でも「使われるよう最大限の努力をします」と書いたものにサインしてもらう。

 

トーゴでも、稼ぎ頭の港を起点とした交通計画作りを支援していて、夏過ぎに終わるプロジェクト後がきちんと担保されるようカウンターパートたちと協議を続ける.今回はトーゴの大統領顧問インフラ担当に直接打ちこみだ。 

私「これを活用した投資についてどう考えてますか?」

顧問「いやいや、日本に支援してもらうんだ」

私「それは、いくら何でも難しい。一部は実施に向けてベストを尽くしたいが全部は難しい」

顧問「政治的にも頑張って日本に伝えて行きたい」

私「いやいや、いくら政治的にいっても限度はある」

 

なかなか議論はまとまらず、夜ご飯を一緒に食べながら。。。となりのテーブルでは8人位の中国人が楽しそうにご飯を食べている。トーゴには、5000人近くの中国人が来ていて、道路工事に従事している。もちろん顧問はインフラ担当だけあって親しげだ。

(顧問)「あ、ちょっと紹介したいから来て来て」(と、その中国人を呼ぶ)

(中国人)「あ、トーゴ国内でバイパス工事を受注している中国の業者です」

(顧問)「この人たちは日本の専門家で今、交通計画作りを支援してくれてるんだ」

(中国人)「あ、計画は重要だね.日本が計画作りを終わったら私たちが作るから心配しないで。アハハ」

 

まぁ「連携」と言えば、連携ですが、うーん、うれしいやら悲しいやら。