気仙で暮らし、働く

当事者として復興・まちづくりに携わりたいと移住した気仙での日々のこと、暮らしのことをつづります。

西アフリカでのつきあい方

持てる者が持たざる者を助けるのは当然ーこれは、西アフリカには広く共通している思考・行動様式で、なかなか「まじめに努力、倹約」を是とする日本人には努力しなければ理解できないことの一つだと実感している。
 
例えば、少しでも収入が高かったり上のポジションの人におごってもらった場合、日本では「恐縮しながらありがとうございます」という感じだし、親戚に施しを受けるのははばかれることだが、ここでは本気で「当たり前。俺だって、お金さえあれば同じことをやってるよ。いま、たまたまあなたが少し多めにお金を持っているからあなたがやっているだけでしょ。」なのだ。日本的に考えると相当カチンとくるのだけれど、それがここの常識で、社会のインフォーマルなセーフティネットとして機能しているのは間違いない。
 
ということは、我が社の商品もともすると相手に「当然」と受け取られてしまうのだ。お金を持っている人はお金を持っていない人に施す義務があるー、と。それを防ぐ意味でも、今回カウンターパートの建設省、運輸省、アビジャン自治区の3人をつれて参加したガーナのセミナーは非常に良かった。びしっとしたスーツではなく、ジーンズ、Tシャツの彼らからはいろいろな話が聞けるし、お隣の国が頑張ってプロジェクトを成功させた様子を聞いてもらったり、我が社の精神についてこんこんと語ることができた。それに、家族の話や他愛のない話をして、ぐっと近くなれた。空港で別れるときはプロジェクトの次の活動について夢広がり盛り上がる。シメシメ。飛行機代と5日間の日当宿泊費だけで得られた効果は計り知れない。
 
翌日、メールを開いてみると参加者の1人から早速メールが届いている。そのタイトルも
「セミナー」
ふむふむ。さっそくお礼かな、と開いてみると、
 
「来月、ベルギーでセミナーがあるからぜひお金を出してほしい。良い返事を待っています。」
 
感動させたり、落ち込ませたり。本当に分かり合えたと思えたと思ったら全然だったり。西アフリカ流の付き合いを理解するにはまだまだ努力が足りないようです。