気仙で暮らし、働く

当事者として復興・まちづくりに携わりたいと移住した気仙での日々のこと、暮らしのことをつづります。

市長の娘②

「あの女性はコミュニケーションっていってもただの広告代理店だし、被害者支援とはまったく関係ない。プロジェクトに貢献しますという文書だって文書倒れに終わるよ。だいたい普段はしっかりしているあの市役所実施担当者の目が泳いでいたし、まったくダメだよ。」同僚が続ける。

う〜ん。私がなんとか良い方向に解釈しようとしていたことはことごとく間違っていた。と、当初の候補者から電話がかかってくる。直前で外され、今回は残念に思う。ただ、自分も市役所では長く働きたい。くれぐれもことは荒立てないでほしいーと。

 

はい、そうですかー。とここで引き下がる私ではない。こうなったら親省庁である内務省に相談だ。こういう時には下っ端がいくら正しいことを言ってもダメで、彼が被害をうけず、ことを進めるにはさらに上からがんと言ってもらうのが一番だ。我が社の良き理解者の一人である内務省のBさんにすぐに打ち合わせをお願いし、ことの顛末を説明する。「日本の貴重な税金を使って研修してもらうのに、これでは困る。プロジェクトに合致する専門性があって、市役所に貢献する人。この二つがそろわない人は受け入れられません。」

 

すぐにBさんは市役所に電話をかけてくれる。先ほどの市役所担当者と一言、三言話した後「彼女がお付き兼通訳を連れて行きたいと言っているんだけどと…?」といたずらっぽくこちらに目配せ。なにー!言語道断だ。こちらが首を大きく横に振ると同時にGさんはがんと「社会サービス担当部局があるだろう。そこからちゃんとした人を選びなさい。日本がお金と技術を出して支援してくれているんだからちゃんと責任を持って選びなさい。」と。おおー、さすがだ。Bさん。

とりあいず、今日のところは自体は打開したのでひくことにする。

ここの官僚組織は本当に重層的で見ただけでは全然分からない。ゴシップも含めて理解していないととんでもないとになる。日本の価値観ではいかんと、よかれと考えたことがことごとくダメ外れていたりする。何事も一筋縄では進まない。

そして、それに血が騒いでしまうわたし。ああ、なんて面白いの!!