気仙で暮らし、働く

当事者として復興・まちづくりに携わりたいと移住した気仙での日々のこと、暮らしのことをつづります。

トロフィーか、油田か

いよいよ明日に迫ったアフリカネイションズカップの決勝。代表のユニフォームが飛ぶように売れ、どこからとも無くサッカー場で吹かれる「ぷぁ〜」というラッパの音が聞こえている。物売りもどこから調達したのか、ナショナルチームカラーのオレンジの帽子や旗やマフラーを手にしており、国中が浮き足だっている。

決勝のガーナはワールドカップでドイツと引き分けたアフリカ強豪国の一つ、アフリカ広しなのに、この西アフリカの隣同士が戦うのである。明日、衛星でこの地域を見たらひときわ輝いて、揺れ動いているにちがいない。

そのコートジボワールとガーナ、お隣同士で良くある話ではあるけれど、国境紛争を抱えている。2007年にガーナが発掘したオフショアのジュビリー油田周辺をめぐる争いである。85000バレル/日の生産量で、経済成長8%(2015年予測)のガーナ経済を支えている。そして、確かに地図を見てみると、このあたり、微妙にコートジボワールにもかかっている気がする(だいぶ、コートジボワールの色眼鏡ですけど)。

そこで、この油田がどっちの国に属するかを巡って、両国は10回以上のラウンドテーブルを実施してきたものの、合意にたどり着けず、2014年ガーナ政府は海洋法に関する国連条約に基づき、コートジボワールを訴えたのである。

そんななか、一昨日、準決勝でガーナは赤道ギニアに3-0で圧勝して、コートジボワールとの対戦が決まった。

私「ガーナになったね。これは厳しい戦いだね!」

友人「大丈夫だよ。勝つから」

私「もう、石油はいいからトロフィーが欲しいよね」

友人「何言ってるのマダム。トロフィーも、石油も勝ってとるんだよ。トロフィーはルールに乗っ取って、石油は国際法に則って。正々堂々とね。ちゃんとお互いの政府だって国際ルールに基づいて、平和裏に裁判で解決しますって宣言してるんだから。

これは、これは恐れ入りました。すみません、以外に冷静なコートジボワール人でした。一番浮き足だっているのは、私かもしれない…。